ほとんどの不動産業者がラクをして儲けることばかり考えているということの、実例を示しておこう。あなたがもし、大手の不動産業者から、なんらかの投資用物件の購入を考えて、実際に交渉を進めているとしよう。おそらく、不動産業者は、ワンルームマンションなどへの投資がどのように回収するかのシミュレーションを見せてくれるはずだ。大手の不動産業者にはコンピュータで即座にはじき出している投資運用のシミュレーションプログラムがある。そこには、細かい数字がしっかりと一覧表になっていて、物件の購入代金がいくらなら、借入金がこれこれで、賃貸に出せば毎月家賃がかくかくしかじか回収できるから、運用益がこれくらいあがるという計画が示している。一見するとじつに完壁なように見える。不動産の素人であるあなたは、「そうか、これならば銀行に預けておくよりずっと得だし、株式に投資するより安全だ。やっぱり不動産投資に決めるか」と決断するかもしれない。ところが、ここに大きな落とし穴がある。たしかにそのシミュレーションの数字は、少し見ただけでは完壁そうに見える。しかし、わたしにいわせれば、それはまことにずさんで幼稚なプログラムを使ったシミュレーションに過ぎない。
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